ボランティア兵庫

兵庫県ボランティア協会機関紙

脳と心の診察室だより ② 老いを生きる

―心を健やかに保つためにー

 老後を健やかに生きるために、私たちはどうしたらいいのでしょう?明確な解答はないと思いますが、駒澤大学教授の勝俣先生が、臨床心理士向けのご講演で、次のように話されました。よりよく生きる安らぎ感(well-being)の一つのヒントになるかと思います。

1.昇地三郎さん(102歳健在、しいのみ学園園長(障害児教育):健康法として、毎朝の棒体操、冷水摩擦、一口30回噛む。「人生とは自分との戦いだ」「頭を常に使え。この世で使え」とおっしゃり、韓国語、中国語、英語、ドイツ語で講演。好きな言葉は「小さきは小さきままに、折れたるは折れたるままに、コスモスの花咲く」

2.日野原重明さん(96歳健在。聖路加国際病院理事長):人生観として「私の後半は、自分で勝ち取った人生ではなく、神から与えられた人生、そうしたミッションを感じながら、すべての仕事をしています」「75歳すぎても人間はまだ使っていない遺伝子がたくさんある。使っていない良い遺伝子を見つけ開発すれば、老人でもクリエイティブなポテンシャルを発揮できる」人間の寿命に影響を与える因子の4割が遺伝子であり、6割が環境因子(食事、運動、仕事、趣味、家族、宗教など)。元気で長生きする秘訣として、1)人を愛すること2)自然に感謝すること3)平和を願うこと4)やったことのないことに挑戦すること5)耐えること。健康長寿の食事法として、1)食べ過ぎないで、低カロリーに心がける2)塩分は極力減らす(生活習慣病の予防)3)肉や甘いものは避け、牛乳、小魚、大豆、野菜を摂る4)オリーブ油など植物油はできる限り摂る5)よく噛む(消化によく、脳を活性化させる)

3.松下幸之助さん(94歳、実業家・松下電器産業操業者):「健康法の要諦は、自分の先天的強弱度をよく自覚し、これに順応した生活態度を持つことで、それがその人にとっていちばん健康な生活だといえる」

4.泉重千代さん(120歳、最長寿):長寿十訓

1)万事、くよくよしないがいい。
2)腹八分めか、7分がいい。
3)酒は適量、ゆっくりと。
4)目が覚めたとき、深呼吸。
5)やること決めて、規則正しく。
6)自分の足で散歩しよう
7)自然が一番、さからわない。
8)誰とでも話す、笑いあう。
9)歳は忘れて、考えない。
10)健康は、お天道様のおかげ。(ご先祖様に感謝)

5.蟹江ぎんさん(108歳):「人間、だいじなのは気力ですよ。自分から、何かする意欲を持つことだがね」腹八分目―白身魚(カレイ、ヒラメ、タイ、スズキなど)  

以上5人の代表者のライフスタイルを紹介しました。直面している症状を改善するのは、一つの方法であり、患者さんの真の願い(幸福感happiness、やすらぎ感well-beingなど)を引き出し、支援するのも重要と考えます。

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