ボランティア兵庫

兵庫県ボランティア協会機関紙


島町内会が取り組んだ 東播磨地域づくり活動応援事業の事例

高砂市米田町の島町内会は、JR宝殿駅の南西方向に位置します。

2006年の国体の高校野球で斉藤君や田中君の活躍で、非常に注目をされた、高砂市の野球場、総合運動公園のある所です。 石の宝殿

その運動公園のすぐ西にある宝殿山の生石神社に、宮崎県の天の逆鉾と宮城県の塩釜とならび、日本三奇のひとつである「石の宝殿」があります。

その「石の宝殿」は、大きさ約6mの直方体の一方向に屋根形の突起のある形状をしており、約500トンの重量があると推定されています。

石の宝殿は、「播磨国風土記」(713年)にもすでに記述があり、約1300年以上前に造られ、古墳時代末には、すでに存在していたもので、万葉の時代から人々の信仰の対象となった巨石のご神体は全国的にも誇れる、貴重な歴史的記念物です。

石の宝殿の周りは、竜山石と呼ばれる古くからの石材の産地で、古墳時代には、この竜山石を使って約400基以上の石棺が作られ、地元兵庫県や奈良を始め、西日本の各地に運ばれました。

奈良の見瀬丸山古墳の石棺が竜山石で造られており、昨年10月に播磨町に開館した兵庫県立考古博物館に展示するために、石棺が竜山石で復元されました。

この石棺の完成を記念して、昨年5月27日には、石棺を修羅に載せての石曳きイベントが高砂市総合運動公園で開催をされ、島町内会からも約400人が参加をしました。

島町内会のルーツである、島村の名前は、その昔、加古川下流(海との境)に浮かぶ島地であったことから、その名がついています。 加古川下流の三角州地帯は、肥沃な土地に葦が生い茂り、古代の人たちが獲物を追い、島地域の野原や近隣の竜山の尾根も歩き、竜山から兵庫の山々や播磨灘のすばらしい景色を眺めていたはずです。

この竜山では、石器が発見されており、古墳も多数あり、いまだ未発掘のものあり、その歴史の奥深さを感じます。

このように島近隣地域では古くからの歴史遺産があり、島町内会では、その魅力を再発見してもらい、コミュニティの大切さを感じて頂くため、このたび東播磨地域づくり活動応援事業の助成を受けて、昨年11月23日の「歴史探検まちかどハイク」、また12月8日の「三世代交流グランドゴルフ大会」に続いて「志(し)海(ま) 文化・歴史講演会」を2月23日に開催しました

Histry Tour

この日は、「東播磨路の竜山石の現状」と題して、東播磨地域の竜山石の石造物に詳しい市民による島近隣の石造物の現状調査の体験発表や、加古川東高校地学部の生徒による、「竜山石の成り立ち」と題して花崗岩分布の調査過程での竜山石と生徒の出会いや竜山石が形成された過程の説明、また竜山石には赤、青、黄色の三色がある理由を調査研究した楽しい発表がありました。


Ground golf

また島地域の歴史に関しては、「ふるさと島の魅力再発見」と題して、高砂市市史編さん課専門員の田寺典似さんを迎え、近隣の地名のいわれや、地域の災害や竜山石の切り出しの歴史などを学びました。合わせて町内に関する、町内会の各種事業の様子や地域の情報、近隣の昔の写真、絵図展示会等も開催しました。


Histry Seminor

住民が地域の歴史にふれ、先人の想いや生活を想像することで、自分の地域が好きになり、各種事業を通じて人のとのふれあいが生まれ、さらに愛着や人間関係を育み、地域づくりにつながるものと信じています。

これからも、地域の文化・歴史遺産を活かし、今後も楽しく地域づくりが継続していけるように、町内会の体制整備も含め、従来の祭りや盆踊りなどの催しに加えて、各種事業を町内会会員と一緒に推進して行きます。

 

(高砂ボランティア連絡会 西村利也)

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